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今後の日本人会について
ー社団法人法の改正と日本人会の未来ー
Incorporated Society Act
Incorporated Society Act がこの度改正されたことで、私たちは日本人会の今後のあり方について再検討する段階を向かえています。この文章は日本人会総会において説明した事項を整理し加筆編集したものです。ぜひご一読をお願いします。
私たち日本人会の様に、複数のメンバーが集まり活動をする際に「単なる個人の集まり」ではなく、集まりとしての法人格を持つためには、社団法人(Incorporated Society)という形をとるのが一般的です。これにより、社会的な信用が確保され、例えば、銀行口座の保有やファンド申請、保険など、メンバーが安心して活動できる基盤を築くことができます。この元になる法律がIncorporated Society Actです。
1908年に制定された社団法人法(旧法)は全41条でしたが、2022年に改正された新法は全270条となり、全ての社団法人がこの新法に適合した規約改正を行った上で2026年4月までに再登録をする必要になりました。再登録をしない場合は、自動的に法人格を失うことになります。規約改正に盛り込むべき事項は多岐にわたり、かなり本格的な改正手続きが必要です。
担い手不足の問題
皆様のご記憶では「日本人会存続の危機」はすでに何年も前から問題提起されていたことだと認識されていると思います。それはその通りで「理事になる人がいない」ために存続が危ぶまれる状況が何度もあり、その状況は今も続いております。現在の理事は4人ですが、特に事務局と会長の業務負担が大きく、ボランティアの域を超えています。少数の犠牲的な献身によって日本人会が維持されることが健全かつ持続可能なあり方とは思われません。理事の人数は5人以上が必要で、7〜8人が適正です。
法改正は、規約改正だけでなく、再登録後の会の運営に関しても事務や会計などの分野で現在以上により時間的負担を強いるものです。このすでにある「担い手不足の問題」をどう克服するのか(できるのか)、そのことを再考する時に来ているのです。
日本人会が取りうるオプション
日本人会が取りうるオプションは、手続きが簡単な順に以下の通りです。
① 何もしない → 自動的に法人格を失い任意団体に(権利能力や信用面で不都合が多い)
② 再登録する → 法人格を維持(規約の改正と再登録手続きに担い手不足の解決が必要)
③ 廃止解散 → 存続不能として解散手続きに入る(残余財産は他団体に寄付する)
④ 合併 → 他の非営利団体と統合することで担い手不足の解決を探る(他団体との合意が必要)
上記いずれのオプションを取るにしても、今年度いっぱい考えて次の総会で議論し、方向性を決める必要があります。日本人会は大きな岐路にさしかかっています。
総会後のアンケート(母数8)では、再登録して存続の回答が多いですが、その実現には担い手不足の解決が不可分だと考えます。
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